作者の言葉

女性というのは、よく、好んで描かれるモチーフではありますが、わたしは美しさを描くために女性をモチーフにしているわけではありません。
絵の中にリアリティをもとめ、できるだけ嘘が自分の中に紛れ込まない様に、等身大であるように。そうすると、自ずと残るものは、私自身の体験。私が描きたい、私にしか描けないもの。それは、私自身が感じ取ったもの。「にほいに
色をつけるなら」「柔らかさが形になったとしたら」「体温を視覚で感じるとき」「わたしの特別な感情」そんな事を考えながら制作しています。私が女性を選んだのはきっと、わたしが女性であることを意識しているから。
この絵は、春にタイで出会った大切な人を想い、制作したものです。爽やかな春の空気と、切ない想いとが表現できていたらと思います。